映画
『ロッキー』を知らない人なんて、あまりいなんじゃないでしょうか。ましてや、
「映画が好き」と仰る方なら必ず目を通していると思います。大して
スタローンのファンじゃないとしても。
『ロッキー』が本国で公開されたのは76年。去年でちょうど30年の節目と言う事で企画された、
『ロッキー』としての最終章。
これを見る前に、既に見た方でも
『ロッキー』を再度見る事をお勧めします。その方が、より一層心に深く響くと思いますよ。
なぜなら、
『ロッキー』と同じシーンが沢山出てくるのと、物語はラストにして原点に帰っているからです。
シルベスター・スタローン主演の人気シリーズ最終章。妻に先立たれ、息子ともうまくいかないロッキーは、孤独感を拭うためボクシングを再開。やがて大観衆が詰め掛けたラスベガスのリングで、ヘビー級チャンピオンに挑む。(DISCASより)
ボクサーに返り咲こうとするロッキーを、息子が制止するシーンで
「過去に囚われるな!」とロッキーが息子に向かって言うんです。が、それは自分に言っていたのだと思います。
このファイナルでは、かなり女々しく孤独の中をもがき悲しむロッキーが映し出されています。思えば
『ロッキー』もそうでした。エイドリアンと出会う前、ロッキーは落ちぶれボクサーだった。
スタローン自身、この作品にはかなり思い入れは深いと思います。
全く売れない駆け出しの俳優だった頃、あるボクシングの試合を見て心を動かされ、自ら書いたシナリオを売り込んで作り上げた作品です。しかも自らの主演に拘ったゆえに超低予算を強いられ、かなり厳しい条件下での完成でした。
そしてヒットし、彼は瞬く間にハリウッドスターになりました。まるで
『ロッキー』です。
スタローンは自分を
『ロッキー』とシンクロさせているのではないでしょうか。
舞台はもちろんフィラデルフィア。美術館の大階段のシーンも出てきます。
映画の中で、現役チャンプのディクソンとエキシビジョン・マッチで戦う事になるのですが、全くガードできていない!シフト・ウェイトがなってない!ンもぉーーっ!!・・・と、気が付くと本当の試合を見ているような気分になっていました。
それほど、リアルな試合風景でしたよ。
ディクソンを演じるのは、当時ライトヘビー級の現役チャンピオン・
アントニオ・ターバー。本物の
マイク・タイソンも出てきたり、ちょっとビックリしました。
息子役の俳優さん、本当にスタローンの息子か?と言いたくなるくらいよく似ていました。偉大すぎる父親を持つ息子として、上手に演じていました。
あまりにも打たれ過ぎるロッキーを見て、少しイライラしましたが、それこそがロッキーなんですよね。打たれ強さ、それこそがロッキー。
ファイナルを作り終えて、
スタローン自身が1番感無量だったのではないでしょうか。彼は今回、監督・脚本・主演と、本当に見事に多彩振りを発揮させたと思います。
比べてよく見られる
シュワルツェネッガーのように何本もヒットはないにせよ、彼はロッキーのように粘り強く、そして熱い人なんだと感じました。
ライセンスを取得しようと立ち上がるまで1時間、少し寂しいロッキーの心情が見ていても辛いです。そしてラストの試合シーンでは、
「出来すぎだなぁ」とも見えました。
それでも30年の長きに渡って愛される映画
『ロッキー』を、キレイに完結させたと思います。
お勧めします♪
(エファ)
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