屋敷女 (2007)

この映画を初めて見た時、輸入だったので当然の事ながら『屋敷女』と言う邦題は付いていませんでした。
あまりにも惨い妊婦ホラーに胸くそが悪くなったものだ。
私も何度かの出産経験のある女なので、見るに耐えかね早送りで見てしまった。
字幕もなかったので、結局その時私が持った感想は


ただただ残虐性のみを追求した、モラルも意味もセンスもないA級気どりのZ級フレンチスプラッタ


でした。
まぁホラーが大好物な私が言うのも何ですが、意味もなく子供が殺されたり妊婦が酷い目に遭ったりと言う描写には疑問を感じます。
「意味もなく」ってのがミソだよ。うん。

「子供も妊婦も容赦なくぶっ殺してくれ!」って方もいらっしゃいますが、私とはちょっとホラー愛に対する方向性が違いますネ。


あれから3年ほどたちましたが、このまま詳しい内容も分からずに(字幕ない上に早送りだったからさぁ)いるのも何だかなぁと思い、ずっと再見しようと悶々としていてようやくレンタルで見てみました。
2度見ると映画の感想と言うものは変わってきますね。
やっぱり妊婦が逃げ回って痛い目に遭う描写は心が痛いですが(^_^;)


車の事故で夫を亡くしたサラ。出産の4ヶ月前だった。
生きる気力も生む気力もないまま予定日前日を迎えたサラの自宅に、黒ずくめの女が訪問して来る。
そしてその女はハサミを手に・・・



フレンチホラーの名を轟かせた『ハイテンション』では、突然男が玄関から襲撃して来てました。
衝撃の連続だった『フロンティア』でも玄関から突然の攻撃。
この映画でも屋敷女はちゃんと玄関から訪問して来る。フランス人は礼儀正しいのネ♪

あまりにも怪しいのでサラは警察に通報するのだが、この映画の1番ダメダメなところは登場人物が「なんでやねん!!」と言うような行動を次々に取る事でしょうか。
通報を受けた警官はサラの家に来るのですが、玄関ドアは開けっぱなしで事情を聴いたりとか「旦那おらんの?逃げられたん?」とか、いや~~~~有り得ないよ!
お陰で屋敷女はサラの家にすんなり入り込めました。
この忍び込むシーン、とってもうまく映ってます。

その後にサラがソファでまったりしてるシーン、その後ろにうっすら屋敷女がフェードイン・フェードアウトしていくのがこの映画で1番ゾクッとしました。

ここから屋敷女の襲撃が始まるのですが、痛い痛いの連続です(^_^;)

私は最初、ただの頭のイカれた女が意味もなく殺人を犯しにやって来たんだと思ってました。
いや~~~~、しまったしまった。違うんだネ。やっぱり映画はエンドロールの最後までちゃんと見てこそ映画だね。

サラはバスルームに籠城するワケですが、その間に母親とか上司とか見回りに来た刑事達が自宅を訪ねて来ます。
素晴らしい事に、全てツッコミどころ満載です。イライラする(笑)

何だかんだで最後はサラはランボー化するワケですが、せっかく刑事に貰った拳銃なんかはポイと捨て、原始的な自作の槍で対抗ですョ!やるネ!!よっ!フランス1!

とにかくここまで屋敷女が一体誰で、一体何の目的でサラを狙うのか全く分かりません。
なので私は何の意味もない残虐なだけのクソ妊婦ホラーだと誤解しておりました。
この後はネタバレになりますので、お読みになる方だけ反転してどうぞ。

この邦題である『屋敷女』ですが、長髪の女がしつこく追い回す事からホラー漫画「座敷女」をパクった思われます。
この「座敷女」こそ理不尽な理由のみの内容でしたので、邦題が『屋敷女』に決まった時に「ああ、やっぱり大した意味のないホラーだったのか」と勘違いしてしまいました。

『inside』でいいじゃんか。
いろんな意味に取れるしね。inside of heart?それともinside of body?それとも?


↓ネタバレ↓










最初の事故シーン、屋敷女の正体は対向車に乗ってた妊婦でサラとは違って流産してしまった女だった。
だから黒づくめだったのね。喪服って事で。

私は妊婦であるサラの方を応援しながら見ていましたが、あるシーンをキッカケに180度変わってしまいました。
狙いは自分の赤ちゃんだと分かったサラは、屋敷女の前で自分のお腹を刺そうとする。

おっ、お前、自分が助かりたいがために我が子を犠牲にするつもりかい!!!!!!!

それを見た屋敷女は一瞬ひるむ。
襲撃者である屋敷女の方が赤子の心配をしている。
私はこの時点で屋敷女の味方と化したのであった・・・

ラストはズタボロになったサラが出産するのですが、レンタル版ではこの映画1番の衝撃シーンが黒いボカシで誤魔化されてるのですね。
うーん、致し方ないですな。妊婦の開腹シーンが見たかったんじゃいゴルアァァァーーーッ!!って方は受診をお勧めします。はい。れっつほすぴたる。

サラは屋敷女に「死んだと聞いてたのに」と言ってましたが、このあたりも曖昧でいろいろ考えさせられます。
屋敷女は本当に存在したのだろうか?スーパーナチュラルな存在だったのではないだろうか?

どうしてもどうしても欲しくて、ようやくようやく授かった赤ちゃん。
それを突然失くしてしまった母の狂気。

最初見た時は嫌悪しかなかった私だったが、今回改めて見てみて屋敷女であるベアトリス・ダルにエールを贈りたくなってしまった。

この映画は意味もなく残虐性だけを訴えたかった作品ではなかった。
正しいか間違っているかは別として、哀しい愛の物語だったのだ。


屋敷女 アンレイテッド版 [DVD]屋敷女 アンレイテッド版 [DVD]
(2009/01/07)
ベアトリス・ダルアリソン・パラディ

商品詳細を見る


(エファ)

あ、ついでに↓

座敷女 (KCデラックス (412))座敷女 (KCデラックス (412))
(1993/07/02)
望月 峯太郎

商品詳細を見る






スポンサーサイト




人気ブログランキングへ

デビルズ プレイグラウンド(2010)PageTopDVD発売告知 『CHAINSAW MAID』

Comment

はじめまして。
かにぬーと言います。

私と趣向が似ていて驚きました。
マイナーな「ゾンビコップ」とかまで...
楽しく一気読みさせていただきました。
(非常に疲れましたが...)

これからも楽しいレビューを期待します。

驚いたのは、管理人さんは女性なんですね。

屋敷女の正体や目的がわかるのとわからないのとでは印象が全然変わるでしょうねー。エファさんのおっしゃるとおり「屋敷女」は哀しい愛の物語だと思います(多分)少なくとも、意味もなく残虐性だけを訴えたかった作品ではないでしょうね。

「座敷女」はただただ不条理で怖いですよねー。ある意味傑作。

>かにぬーさん

ようこそ、初めましてかにぬーさん。
ご訪問有難うございます♪

趣向が似てらっしゃるとは嬉しいですね!
実はここのブログ、私を入れて3人で管理しているのですよ。
レビューの最後に記名しているのですが、「ゾンビコップ」のレビューは(ひろろさん)なんです。
男性1名女性2名の管理人で各々レビューを書かせてもらってます。

一気に読破していただいて有難うございます♪
疲れたでしょうね〜〜(笑)

これからも宜しくお願いします(^◇^)

>sasuperia2redさん

「よくあれを劇場で流したもんだ」と思ってました( ̄▽ ̄;)
劇場版はノーカットだったんでしょうか?

女性同士のバトルを繰り返していくうち、サラの方はだんだん人間離れした顔つきになっていくのに対し、屋敷女の方は徐々に人間らしい顔に戻っていくのが面白かったです。
あのあと、あの二人はどうなってしまうんだろう・・と思わせる寂しいラストカットでしたね。

「座敷女」の主人公の男の子、他に何か逃げるうまい方法なかったんかいな! ・・とちょっとイライラしました(笑)
不条理ホラーは不条理ホラーで面白いですけどね♪

世界各国無能警察

アメリカ以外でも警察はやはり無能だなと納得した映画でした。見事無能警察ベスト10にランクインしました。
しかし、昨今の警察不祥事を見てると、無能なのは映画の中だけにしてくれとも思いましたね。

>亀さん

無能な警察官、映画によく出てきますね(笑)
しかし、有能にしようとするとセガールやウィリスが必要になってしまい映画の方向性が変わる可能性大です。
韓国映画なんかは、無能警官しかいないのか?とさえ思ってしまう程です。

しかし、現実にも最近では富山の事件なんかがあって恐ろしいですね。
「警察官も人間だから」とか間違っても言わないで欲しいです。

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

TrackBack

http://mebiusringhorror.blog93.fc2.com/tb.php/345-24e27af6

プロフィール

MebiusRing

Author:MebiusRing
MebiusRingへようこそ!
いろいろなホラー映画をご案内します
ガイド役は
スラッシャー大好き エファ
80年代命 ひろろ
ヘネンロッターLove nasu
でございます
マスコットの「メビ坊」もよろしく!

Twitter

    follow me on Twitter

    最新記事
    カテゴリ
    最新コメント
    FC2カウンター

    WELCOME TO MebiusRing!

    メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    ****

    リンク
    月別アーカイブ
    最新トラックバック
    RSSリンクの表示
    検索フォーム

    ブロとも申請フォーム