1408 (2007)

ドルフィン・ホテル1408号室。ここに泊まれば必ず死ぬ。


キングでホテルって『シャイニング』がパッと頭を過ぎりませんか?更に共通する事は、主人公の男の精神が少しずつ破壊されていくと言うところ。
洋画ですから、ゴーストなど派手に視覚でバーン!と脅かせるシーンもあるのですが、じわりじわりとした地味で身震いしそうな恐怖も上手に交じり合ってました。
キングの作品は長いので、短く映画にまとめるのが難しいですよね。でもこの原作は短編なので、逆に映画のために膨らませたようです。

『ミザリー』『シークレット・ウィンドウ』などと同じで、主人公は小説家と言う設定。



幽霊などの超常現象が起きると噂の場所に行っては、それを本のネタにするために足を運ぶ作家のマイク。しかし人気の方はイマイチ。そんな時、1枚のポストカードがマイクの元に届く。そこには「ドルフィンホテルの1408には泊まるな」の文字が。
興味津々で調べてみると、そのホテルの1408号室では50人を越える死者が出ていたワケです。で、「こんな美味しいネタ逃す手はないわいな」とマイクはドルフィンホテルにレッツらドン
頑張るぞ。おーっ。



作家マイクを演じるのはジョン・キューザック。私はあまり好きな俳優さんではないんですが、なかなか好演しておられました。でも欲を言うと、ヨダレ垂れ流すくらいのイっちゃった演技が欲しかったかも。

このドルフィンホテルの支配人はサミュエル・L・ジャクソンなんですが、出演時間はそんなにありません。
「1408に泊まらせてくれやー」と来るマイクに対し、「1時間で死にまっせ。やめときなはれ。」とアレやコレやの小物を使って引き止めるワケです。

このマイク。超常現象の本を執筆しているにも関わらず、自分が1番その手の現象を信じてないんですよね。なので、その1408の部屋で恐ろしい事が起こる・・とどれだけ言われようと全く馬に念仏なワケですよ。

支配人に恐怖のプロローグをプレゼントしてもらい、結局は部屋にチェックイン。

部屋の中は恐怖とは無縁の全くの普通の内装。「やっぱりガセか。」と小バカにしていたマイクだったが、突然ラジオからカーペンターズが流れ初める。
最初は小さな恐怖からの始まりで、マイクは喜んでさえいるんです。
「ほお!こう来たか!次はどう来るんだ?」と言うようなノリですよ。

コップに落ちる1滴の雫。でも、これが延々と続けばコップから溢れ返りますよね。
「もう止めて!」と言っても既に遅し。マイクは自分の中でいっぱいになった恐怖を素直に認め、「俺の負け!もういい!帰る!!」と逃げ出そうとするのですが、部屋はマイクを離さない。

この出来事はホテルの1室で起きてるワケで、扉を開けさえすればお客や従業員が沢山いるんですよ。でも出れない。それって凄く怖くないですか?

そして、この部屋が与えてくる恐怖はジワジワと精神を破壊してくるので、マイクは必死に精神を保とうとします。肉体への攻撃よりも、精神的な攻撃の方が恐怖度は高いです。その辺はキングの十八番ですよね。

誰かの嫌がらせなのか幽霊の悪戯なのか、妄想なのか幻覚なのか、ぐいぐい引っ張ってくれます。ちょっと途中で「長いな・・」と感じてしまいましたが、十分怖くて楽しめました。

監督はミカエル・ハフストローム。当初はイーライ・ロスに話がいってたそうですが、キングが却下したそうな(笑)


ちなみに私はコレ2007年の暮れに見たんですが、キング原作で有名な俳優さんが出てるワリには日本公開が遅かったですね。なんでだろ。


↓以下はネタバレ↓









結局は全て曖昧に終わってしまいました。
幽霊の仕業だったのかそうでなかったのか。でも、手元に残ったボイスレコーダーに亡くなったはずの子供の声が入ってたんですよね。
それを聞いて驚く妻。そして「俺は本当に超常現象を体験してたんだ。」と言う確信の微笑。

ホテルの支配人は結局何者だったのか・・・。

これは尻切れトンボではなく、なかなかウマい終わり方だったのではないでしょうか。



(エファ)

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